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2005年12月04日

四万十川・歩いて下る

著者:多田実 築地書館 1995
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4806721964/ref=pd_rhf_p_2/250-0247806-4130672

もう10年ほども前の著作とのことだが、今でも何のためかわからない林道整備などの事例は事欠かないし、ダムに関する是非の議論の中心的な論点に実際の見聞やデータを駆使しながらせまっており感心しながら読み終えた。

ところどころ、行政マンとしての自分の琴線に強く触れる部分がある。わたしも彼が思うよう、役人というのは本当に「才能」がないとダメだと思う。金を使うことは仕事の一部だが、それが価値を生み出さない事業がどれほど多いか身につまされる。時折自分がまさに「大いなるド素人」であることに気づかされることもしばしば。(環境の仕事にいきなり配属されたときはまさしくその状態だった。)
ズブの素人なのに、この国の行く末もなんもあったもんじゃない、とにかく金をつかってくれる(仕事をしたことにしてくれる)クライアントがいいお客様、という馬鹿げた状態、しかも金はあるもんだから「大いなる」という形容詞がついてしまう。

この本にはところどころ、筆者の若々しく生々しい風刺があって、ずきんと胸が痛む。
例えば蛍光灯の下で飼われたブロイラーが、それを「太陽」と信じていることに「その肉一つ一つの存在はニセモノ」というくだり。人工の都市にしか生活をしたことのない私はそのブロイラーそのものであるが、私の命は、どんなに痛々しくたって、やっぱり、どっこい生きているから・・・。

私が人工の都市生活の虚実に対し、また自分の命やもろもろの関係性のなかで培ってきた人生観に、真摯に向き合い、行動することだけが、ニセの生を生きているのかどうかを見分ける、その答えなのだと思う。

投稿者 kamimaki : 2005年12月04日 23:30

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コメント

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