« 2006年01月 | メイン | 2006年05月 »
2006年04月30日
蝉しぐれ-DVD-
連休の前半、借りたDVDの一枚に、藤沢周平作品の映画化「蝉しぐれ」があった。
物語りもさることながら、映像に残る自然豊かな風景もまた見ものであった。
ロケ地は山形。羽黒町など。
そういえば、藤沢周平氏も山形の出身である。
このロケ地へのこだわりは映画の端々にあって、思わずググると、メイキングを紹介したwebページにいきあたった。
http://www.semishigure.jp/html/index.html
ふと、山形にかかわる顔がひとつ、ふたつ浮かぶ。
どこか自分の出身地にこだわりのある山形人の顔だ。
くにを語るときのこのかたがたの頑固さというたら、ほかにないほどの。
しかし舟で夜の川を忍び下る映像は滋賀の近江八幡とのこと。
これは琵琶湖の水を産湯につかった関西人の私には見知った川面であった。
できればここはより湖西もしくは湖北の、冬降雪の多い支川で撮られたかったように思う。
冬の厳しい地域にこそ、強い地場への愛着がある。
物語にも、映像にも、そのことの強さを見せつけられた作品だった。
投稿者 kamimaki : 22:06
2006年04月29日
家庭系危険・有害廃棄物の諸課題(5)
調査研究が進むにつれて、これまでの成果を踏まえて社会実験を、という声が、住民団体の方を中心に聞こえ始めた。デポジットは購入時点にいったん課金をするシステムである。その枠組みをどうつくるか、まず参加してくれる店舗があるのか、といった問題。
次に品目の問題。回収後の処理が結局分別回収を行わないと同等であれば環境保全上の意味がない。
しかし最大の課題はこの実験地となってくれる自治体の参加だった。
先にも書いたが、一般廃棄物というのは市町村がその回収処理に責任を負う法制度となっている。いくら実験をしたいとしても、その市町村がNOといえば不可能だ。
推進会議には府内の全市町村が参加している。危険・有害物による被害対策の主要な支払い者は市町村であり、この課題解決に向けた調査部会の研究事業に深い関心があっても、いざ自分で実験に手をあげるとなると、これがなかなか難しい。国内で飲料容器の回収にデポジットを適用する実験はあっても、いずれも恒久的な実施に結びついていないということも心理的影響としてはあったと思われる。
まずローカルデポジット自体が、難しいことである、という先入観が高い敷居となっていた。
調査部会では平成16年度から、ワーキングのメンバーに、神戸大学大学院経済学研究科の沼田大輔さんに入っていただいていた。彼はカナダの飲料容器をはじめ海外のデポジット制度に詳しい。そこでまず、海外で危険・有害物でデポジット回収をしている例はないのか聞いてみた。
沼田さんによると、アメリカでは鉛バッテリーでローカルデポジットが実施されているという。
論より証拠、ということで、この年度は米国調査を実施した。
具体的にはバッテリーカウンシルインターナショナルのコンサルタント、コネティカット州政府、ロードアイランド州政府を前記沼田さんに委託しインタビューしていただいた。
米国では鉛バッテリーの回収に州法で強制デポジットを課している州と自主的デポジットを実施している地域とがあった。あわせれば9割の州でなんらかのデポジットを実施している。
また、このシステムは新規購入時のデポジットの30日以内に不要となったバッテリーを持ち込むことでリファンドを実施しており、いわゆる「交換」のシステムが成立していることなどが参考になった。
製品廃棄物をデポジットリファンドで回収するとき、その製品の使用済み段階までリファンドを行わないとすれば、製品寿命が長いほどデポジット金の管理運用が必要になってくる。
デポジットリファンド制度のビジネス面での妙味は実際このような資金運用面の妙味でもある。
一方で、長い期間の運用果実の期待もある反面、適正な管理という意味でのコストも当然必要になる。
また、この米国での事例の顕著な特徴は、それが政策デポジットであったとしても、民間団体であるバッテリーカウンシルが積極的に政策提言したことによる、政策連携モデルであったことだ。
民間団体は民間団体としての妙味を合わせえながら、総合的には政策により廃棄段階のバッテリの回収ストリームを一元化し、廃棄物段階ではコントロールしにくい規模の経済を実現させたのである。
調査報告書の詳細については、下記URL中、
危険・有害廃棄物におけるデポジット制度導入による社会経済波及効果に関する調査報告書の第2章を参照のこと
http://www.epcc.pref.osaka.jp/warec/jigyou_tyousa.html
平成16年度の調査では、実際このように行われているという実態のみの把握となったが、米国での事例調査は国内でもまだ情報の薄い部分であり、大変貴重な調査結果となった。
奇しくも国内でも、自動車バッテリーの回収処理スキームの再構築が検討されていた時期にもあたり、関係コンサルからの問い合わせもあった。
結果的に国内では無料回収スキームの構築へと向かったが、今後回収率が向上しない場合の一方策としてデポジットリファンドシステムは有用である。
◆平成17年12月27日 自動車用バッテリーの回収・リサイクル推進のための方策について」報告書(案)に関する意見募集の結果について
http://www.env.go.jp/press/press.php?serial=6696
投稿者 kamimaki : 17:09
2006年04月26日
家庭系危険・有害廃棄物の諸課題(4)
家庭ごみの組成は、この半世紀で急変している。
1950年代であれば紙や木など焼却してもさしたる害のないものがほとんどであったが、工業化の進展に伴いプラスチック製品の増加、化学製品、電化製品など重金属を含むものの廃棄率が飛躍的に伸びた。これらの分別を行うことなく焼却や埋め立てを行うために環境対策を施行するとなると、設備投資や投入する中和剤が大量に必要になる。
わが国はこの「捨てるための技術」においては世界最高レベルといっていい。特に自治体の環境施設には海外からの視察が絶えない。このことが、技術的にリサイクルが可能になった製品廃棄物であっても経済性の面で廃棄に劣り、現実として資源回収がすすまないという問題を抱え込むことになっている。
製品廃棄物の分別回収は社会システムから経済性の面で蹴りだされているのである。
家庭系危険有害廃棄物に限らないことであるが、大阪府廃棄物減量化・リサイクルアクションプログラムでは、事業者の責務としてデポジットなどの経済的手法を活用する検討を行うとした。平成13年度からの調査では、このような経済的手法を家庭系危険・有害廃棄物に適用する検討を行うこととした。
経済的手法には、1)排出権取引 2)補助金 3)課徴金 4)デポジットがある。
平成15年度の調査では、この中で、デポジットが機能するためのシステムづくりに府民がどのような意向を持っているかをアンケートした。
ある製品を購入するさいに、預かり金を上乗せ(デポジット)して販売し、消費後の製品廃棄物を返却時にその預かり金が返却(リファンド)されるシステムがデポジット・リファンドシステムの概要である。
酒屋で瓶ビールを買って空き瓶を返すとお金が戻ってくるシステムといえばわかりやすいかもしれない。
この場合、ビールを購入時に実は瓶の保証金が商品代金に上乗せされているのである。
デポジットの効用は二つある。一つは商品代金が上乗せにより上昇していることから、余分な消費が買い控えられるという点、そして上乗せ金の回収のために、消費者による返却がより確実に行われるという点である。
火災や爆発事故の絶えないエアゾール缶、有害物質を多量に含む小型2次電池、水銀を含む蛍光管などをアンケートの項目に抽出し、デポジット額がいくらなら足を運んでまでも使用済み製品を返却するか、その返却場所として納得できる距離はどれほどかを聞いた。
その結果をまとめると、消費者に身近な小売店が参加したシステムづくりが有用であるという結論となった。
※ このくわしい調査報告書については下記URL中
危険・有害ごみの処理におけるデポジット制度導入可能性調査報告書を参照
http://www.epcc.pref.osaka.jp/warec/jigyou_tyousa.html
投稿者 kamimaki : 12:24
2006年04月25日
カテゴリに日記を追加
久しぶりにサイトを更新した。
といっても、昼休みに書きかけて来客で手をとめ、という按配。
ふと思いついて、日記形式なら毎日ちょこちょこ書けるかな、と、早速カテゴリに追加してみた。
今日は、先日の行政経営フォーラム定例会で産廃Gメンのお仕事についてお話くださった石渡さんに、あらためてお礼のメールをしたのだった。
というのは、環境の仕事からこの4月に都市整備のほうに異動になり、思い半ばであったことから、正直気分が沈みがちであった。フォーラムで配られた石渡さんのご経歴を見ると、必ずしも産廃行政一筋でこられたわけではないことがわかり、そうした合間の職場にあっても、不法投棄を摘発していくマニュアルづくりはすすめておられたというお話に、感銘を受けたのだった。
人事異動ではいつも深くコミットできる仕事にいくわけではない。
最初はいつも自分の手元をコツコツ、とたたいてみたくなる。
公共の福祉という言葉で、無駄な事業をしてないか、その勘所が生まれるまで、わたしという人間はちょっと時間がかかる。
その一方で、人生40年に近づいて、やはりライフワークといえるものに近づきたいと思う。
環境、サステナビリティ、というキーワードは、その意味でこれからも追いかけたい。
その気持ちに背中を押していただいた、そのお礼だった。
今後レポートと平行して日記も更新していきます。
投稿者 kamimaki : 18:37
家庭系危険・有害廃棄物の諸課題(3)
危険・有害とされているごみの中には、市町村が排出を禁止しているものがある一方、一般ごみと同じように焼却されたり埋め立てられているものも少なくはない。
このため、どのような被害が起こっているのか、また、被害を防止するためにとられている手立てにかかる費用などはどれくらいか、を、地域計画建築研究所に委託し見積もった。
回収処理過程での火災・爆発事故による物損は年間9100万円、不法投棄された有害廃棄物の直接処理費として1億1200万円、焼却炉の環境対策、破砕施設の防爆・監視施設への費用は34億7000万円、以上府内の一般廃棄物おける危険・有害対策費用は36億7300万円という結果であった(平成14年度)。
※ このくわしい調査報告書については下記URL中
危険・有害ごみによる市町村のごみ処理へ及ぼす影響等の把握調査報告書を参照
http://www.epcc.pref.osaka.jp/warec/jigyou_tyousa.html