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2006年06月09日
家庭系危険・有害廃棄物の諸課題(7)
豊中市のIさんによれば、阪急線の高架下にできた、新しい環境教育施設「豊中市立リサイクル交流センター」で実験期間中の拠点回収ができるのではないかということだった。
実験協力自治体と回収拠点の一つが提案されたことによって、この実験実施に向けてはずみがついた。
次に検討を要するのは実験の仕組み、モニタリング項目などであった。
デポジットは通常購入時に課される。ただでさえ厳しい競争環境にある家電販売店が、少しでも価格が高くなるデポジットに参加意向を示してくれる見込みはきついものがあった。
1円でも高いと競争に負ける。府内全域あるいは関西広域などで、とりこぼしなく取り組めば課金が競争に影響を持ち込まないが、今回は豊中市域の限られた中で行う。このため社会実験に参加した店舗の売り上げが下がってしまう可能性があった。そもそもデポジットというのは、製品価格に上乗せされるために余分な購入(消費)を引き下げるという効果があり、それはいたし方のないものである。しかしこのために参加店舗が集まらないという手戻りをつくると、年度内の実験が困難になる。
そこで課金はあきらめ、回収奨励金方式を選定した。
しかしただ、回収奨励金方式をとったなら、モニタリング上次の問題が考えられた。地域外からの廃蛍光灯の持込である。回収率を地域内での消費に対するものとしてカウントするのに、他地域から奨励金目当てに持ち込まれれば測定が不能になる。また、奨励金の原資が尽きてしまうことも考えられる。さらに、公共施設などから無断でとりはずされたまだ廃棄段階になっていない蛍光灯が持ち込まれる危険性もあった。
そこで、やはり鉛バッテリーのように、新規購入と廃棄が対になる、「交換」型にすることが必要であろうというアイデアに落ち着いた。バッテリーの場合はレシートだが、今回は実験参加店舗で新規に蛍光灯を購入したときに「廃蛍光管引換え券」を配布することにした。後日この券と取り替えた廃蛍光灯を持参すれば、キャッシュバックされる。券がなければ引取りにキャッシュバックは生じない。地域外や盗難をしてまでもの持込はこれで防げるのではないか、と考えられた。
このことは、製品寿命からいっても利点があった。飲料容器などのデポジットでは、デポジットが返金されるのは消費後である。しかし鉛バッテリーは製品寿命が約2年。わたしたちが実験の対象品目に選んだ蛍光灯は定格点灯時間が6000時間、最近の製品では9000時間と長寿命化しており、これは一日16時間点灯して1年半以上もつのである。社会実験の会計面、投入資源量からいっても、それほどの長期間実験を行うことは困難であった。
しかし新規購入時に使用済み製品と「交換」をするという発想でいくと、製品寿命が長くてもデポジットの管理期間は短くて済む。モニタリングも発行券で管理できるので好都合であった。
券の発行と管理という交換のシステムは、デポジットでよく言われる、外部性の排除のしやすさも魅力だった。デポジットシステムを適切に利用しないことをフリーライダーというが、空き缶などで常に問題視されたのはデポジットの有無の識別性である。デポジットをしていないのにリファンドを受け取る行為があれば、これはフリーライダーであるが、この点では券を用いるというのは非常にわかりやすいシステムになろう。
百聞は一見にしかずとはよくいったもので、沼田さんの米国調査は、ローカルデポジットは無理という思い込みのあったわたしたちに、大きなヒントを与えてくれたのである。
この米国調査をはじめ、これまでの実験でお世話になったのは、地域計画建築研究所のK計画部長である。推進会議の少ない調査費用から、よくもこれだけの活動をともにしてくださったものである。
K部長は無口な人だが、わたしがいつも自由な発想で意見をまくしたてたあとに「意味がよくわかりません」と付け加えられるのがはじめはショックだった。そのうちだんだん自分の無茶苦茶、というのがわかってきた。そう、推進会議の調査費用は年間100万円しかなかった。そこで米国にいかせろだの、社会実験をしようよなど、いいたい放題していたのであるから。
投稿者 kamimaki : 2006年06月09日 20:47
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