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2006年06月02日
公聴会
わたしの現在の大阪府庁での業務は、公共事業用地の取得、特に土地収用ということに特化している。
土地収用というのは、所有者の意思に反しても法律的手続きを以って土地所有権を公共事業主体が獲得する制度であり、統治の仕組みの一形態としても、たいへんな強権発動を伴う制度である。
土地収用法は平成13年に改正があり、特に土地を収用してまでも行うべき事業かどうかの判断において、一定の住民参加手続きや第3者機関への諮問といった手続きが加えられた。
わたしの仕事も、こうした認定にかかる事務が分担として割り当てられており、先日は1週間国土交通大学校に特に事業認定庁としての実務を扱うための研修を受けたばかりだ。
6/2は、今後の認定庁としての事務に活かすため、四條畷市の市民ホールで、第2京阪道路の公聴会を傍聴してきた。
最初30分は起業者から事業の説明。
第2京阪道路は、京都と大阪をつなぐ高速道路等の整備事業である。
http://www.kkr.mlit.go.jp/naniwa/03/index.html
次の方は道路周辺の住民の方。大気汚染への懸念を、数値データで示される。地域内にある廃プラの処理施設での排気との複合汚染の問題、環境アセスの再評価を主張された。
次の方は某大学名誉教授の方。この方は賛成意見を述べられた。
次の方は地元市議の方。夜間の騒音についての懸念を述べられた。
その次も地元市議の方。やはり大気汚染への懸念を述べられた。
認定庁の席におられた方々は先日の国土交通大学校で講師をされた方々だった。平成13年の収用法改正で規定され開催された公聴会としては5度目。18時にはじまり、終わったのは20時40分だった。
明日午前もあと4人ばかり公述される予定。
会場は土木の関係者と住民さんで約半分の入りといったところか。怒号や野次は無く、たまに拍手がおこるくらいで、静かな公聴会だった。
公益性の裁量判断というのはなかなか難しいことだと思う。
将来の交通需要の予測など、さまざまな手法が開発されており事業をするほうにはそれらを駆使して説明を遂げることが可能だ。しかし判断をするための尺度は、予測結果を受け取る人すべてといってよいほど異なるだろう。環境基準など法律で一定の尺度が提示されているものもあるが、すべてが法律で網羅されていないこともまた事実である。
今の仕事をしていると、時々このような難しさを感じることがある。
その原因は「わからなさ」で、現時点では自身の知識の不足もあるが、確からしさのハッキリしない事柄を取り扱う難しさである。しかし将来のことの確からしさをつきつめるというのは学究にゆずり、ツールとしての活用段階に期待したい。一方、実務家としては、ほかの道、オルタナティブな、「わからなさ」への解決方法があるのではないか、と思う。
投稿者 kamimaki : 2006年06月02日 23:14