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2007年03月10日
水道水の味
閣僚が事務所費に多額の光熱水費を計上していた問題で、「水道水を飲む人はいない」と発言したことに苦情が寄せられているという。
水道蛇口から直接水を飲んでも大丈夫、というのは日本が世界に誇る行政サービスの一つである。確かに昔はこの水道水で髪を洗うのもいやだった。夏場はかびくさく、子供の頃は沸かしたお茶しか飲んだことがない。それでもここ10年の間に高度浄水処理が進んだ。今は安心して水道蛇口からごくごくやっているのはわたしだけ?
東京都千代田区の水は東京都水道局が供給しているものだ。都はどうなのだろう、とググってみた。
すると「蛇口回帰推進計画」なるものを発見。
http://www.waterworks.metro.tokyo.jp/press/h18/press070130.htm
これを見ると高度浄水処理を実施しても、都民の3割は水道水に満足をしていないという結果だそうだ。
なるほど、以前からの「おいしくない水」のイメージが払拭されず、品質を向上しても受け入れてもらえない、という背景がどこともあるようだ。
また、これは個人的なイメージだが、配水管などの老朽化や鉛の浸出、集合住宅の貯水槽の衛生管理の不全を心配し、やっぱり蛇口はネ、という消費者も多いのではないか。
それを逆手にとったビジネス?かどうかは知らないが、大阪市水道局はボトルドウォーターの宅配をはじめるようだ。現在企画コンペを実施中。
http://www.city.osaka.jp/suido/news/info/h18_shimo/takuhaicompe.html
ところで、かのザ・ボディ・ショップの創業者アニータ・ロディック氏は、水道水以外は飲まないと過去のインタビューで読んだことがある。水という公共財を大手の企業が独占的に商品化し儲けていることをアンフェアだと彼女は言う。水道水を飲むことは決してビンボーでもしみったれでもなくスーパーかっこいいことだと感じたことを思い出したりもした。
この際、閣僚の皆さんには、高額の光熱水費を返上していただき、わが国のおいしい水道水をPRし、美しくフェアな国日本のイメージアップにまい進していただきたいものだ。
アニータ・ロディック氏のHP
http://www.anitaroddick.com/index.php
投稿者 kamimaki : 13:43
2007年03月03日
戦略的環境アセスメント(SEA)
環境省は標記ガイドラインについて15日まで意見募集を行っている。
http://www.env.go.jp/press/press.php?serial=8098
このSEAの導入にあたっては経済産業省、国土交通省は反対の立場という。
現在の環境アセスメント制度ではよほどでなければ事業が否定されることがない。
希少動物がいても、目立つものには何らかのミチゲーションの措置を講ずればよい。
住民参加も意見を聞きおくことに徹している。事業推進の立場からいえば現行制度のほうが何事においてもスムーズなのだ。開発を地元が要望していることも多い。
現行制度というのは、お上の一人勝ちだとつくづく思う。
わたしは昨年環境部から異動し、土地収用制度を担当しているが、現在のところまだ環境保護運動とぶつかりあうことがない。しかし都市化の進んだ大阪とはいえ、自然の豊かさを感じる場所が残っていないわけではない。また都市部であっても、ここでは死に絶えたと思われていた生物が環境評価を通じて発見されることもある。環境保全に関しては積極的に取り組みたいと願いながら仕事をしているが、情報不足に悩むことが多い。
脱ダム派と思われている滋賀県の嘉田知事が、県内のいくつかのダムで事業推進に理解をしめした、という。ダム計画直下に位置する流域被害の過去・現状など、公約よりも人命を尊重する立場になればそうした判断もやむをえないこともあるだろう。
ただし県が計画するダムなどは、そもそもアセスの対象になるほど大規模なものばかりではない。しかしダムは谷あいを水没させてしまうものであるから生態系を損なうことは必定で、アセスに近い方法で環境影響が評価されたうえで事業が進められる。どうしても限定的な評価にとどまらざるをえない。
他県の大規模開発事業では、環境破壊を理由にいわゆる一坪運動(わずかな土地に数百人が登記をしたり木を植えるなどし権利を主張する反対運動)などがおこり、末端の公務員と環境保護運動家が激しくぶつかり合っていると聞く。しかし土地は必ず収用され、事業に用いられる運命を、この段ではもうくいとめることができない。さて、SEAを導入すれば、そのようなことが避けられるのだろうか。
国に先駆けてSEAの概念を導入している自治体もいくつかある。
東京都や埼玉県、京都市など、意外に大都市圏である。確かに多数の人口を抱え、都市整備が十分進捗し、地域経済の公共事業依存度が低ければ、SEA導入に対する敷居はそれだけ低くなるかもしれない。
■東京都の環境アセスメントとは
http://www2.kankyo.metro.tokyo.jp/assess/hand/asess.htm
■埼玉県戦略環境アセスメント制度
http://www.pref.saitama.lg.jp/A09/BE00/asesu/1_5_SEA/SEA.html
■京都市計画段階環境影響評価(戦略的環境アセスメント)要綱
http://www.city.kyoto.jp/kankyo/envm/assess/sea/hyoushi.html
これらの先行事例が実際にどのような環境保全につながり、事業推進においてどのような影響を及ぼしたのか、検証する方法はないものか。現場の実務者として、知りたいところである。
投稿者 kamimaki : 15:42
2007年03月01日
地域の公共交通
わたしは大阪は十三生まれ、駅から徒歩7分で何でもそろう。必要にかられたことがなかったために、中学3年まで自転車も乗れなかった。さすがにそのため「天然記念物」というあだ名を拝命していたのだが。今の住まいもJR天満駅から徒歩5分。正直どこへ行くのも交通という点で困ったことがなかったのである。思えばなんという世間知らず。
ところが、3年前、徳島県上勝町へ視察に行くときには本当に困ってしまった。公共交通がないのである。大阪からレンタカーで、視察者の方に運転してもらいなんとかなった。当時上勝町では、福祉ボランティア輸送の特区の指定をうけていた。町内にあったタクシー会社の撤退を受けて、高齢の市民の移動を確保するための画期的な特区提案だった。
http://www.kamikatsu.jp/mayor/tokku_keikaku.htm
視察が終わったあと、このことはカラリと忘れていたのだが、先日ある関西の自治体での赤字バス路線の話から、行政経営フォーラムのメーリングリストで情報を求めたところ、幾人かの会員から様々な取り組みが寄せられた。その中に上記上勝の事例もあった。今このアイデアが全国展開されているのは非常に素晴らしいことだと思う。
このほか京都市の醍醐コミュニティバスは、住民が主導的に運営している。
■醍醐コミュニティバス
http://www16.ocn.ne.jp/~daigobus/
ここも素晴らしいなと思うのは、昨年10月から敬老乗車証等が利用できるようになった点だ。まさしくみんなで支える公共交通を実感する。
また岡山県生活交通対策地域協議会は全国の地域公共交通の知恵を結集した読み応えのある事例集をwebにアップしている。
■地域公共交通確保の知恵袋
http://www.pref.okayama.jp/seikatsu/kotu/chiebukuro/top.html
わたしがこの事例集を見てひざをたたいたのは、「役所の中を知ろう」という項目だ。
まずは役所の中を見回して、連携の足がかり、使えるリソースや情報がないか、と目を凝らす。
そんなふうに考えると、地域公共交通だけでなく、様々な場面で、こうした考えは生かせそうだ。
大阪市は地下鉄とバスの民営化を視野に経営改革をすすめているという。
今後利用者の少ない不採算路線の縮小などが生じないとも限らない。
面白いことにけっこうこの民営化議論についてwikipediaが詳細を伝えている。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%A7%E9%98%AA%E5%B8%82%E4%BA%A4%E9%80%9A%E5%B1%80#.E6.B0.91.E5.96.B6.E5.8C.96.E8.A8.88.E7.94.BB
昔のインスタントラーメンのCMではないが、「わたしつくる人」「ぼく食べる人」と、市民が無関心にただ利用するだけの人になっていては、民営化で生じるかもしれない都市の隘路をつなぐことは難しくなる。今里筋線は開業から2ヶ月、利用は当初の見込みの1/3に過ぎないという。この利用をめぐっての議論を皮切りにしてもよい。公共交通の経営を勉強する機会を市民ももとう。
投稿者 kamimaki : 22:20