2007年03月03日
戦略的環境アセスメント(SEA)
環境省は標記ガイドラインについて15日まで意見募集を行っている。
http://www.env.go.jp/press/press.php?serial=8098
このSEAの導入にあたっては経済産業省、国土交通省は反対の立場という。
現在の環境アセスメント制度ではよほどでなければ事業が否定されることがない。
希少動物がいても、目立つものには何らかのミチゲーションの措置を講ずればよい。
住民参加も意見を聞きおくことに徹している。事業推進の立場からいえば現行制度のほうが何事においてもスムーズなのだ。開発を地元が要望していることも多い。
現行制度というのは、お上の一人勝ちだとつくづく思う。
わたしは昨年環境部から異動し、土地収用制度を担当しているが、現在のところまだ環境保護運動とぶつかりあうことがない。しかし都市化の進んだ大阪とはいえ、自然の豊かさを感じる場所が残っていないわけではない。また都市部であっても、ここでは死に絶えたと思われていた生物が環境評価を通じて発見されることもある。環境保全に関しては積極的に取り組みたいと願いながら仕事をしているが、情報不足に悩むことが多い。
脱ダム派と思われている滋賀県の嘉田知事が、県内のいくつかのダムで事業推進に理解をしめした、という。ダム計画直下に位置する流域被害の過去・現状など、公約よりも人命を尊重する立場になればそうした判断もやむをえないこともあるだろう。
ただし県が計画するダムなどは、そもそもアセスの対象になるほど大規模なものばかりではない。しかしダムは谷あいを水没させてしまうものであるから生態系を損なうことは必定で、アセスに近い方法で環境影響が評価されたうえで事業が進められる。どうしても限定的な評価にとどまらざるをえない。
他県の大規模開発事業では、環境破壊を理由にいわゆる一坪運動(わずかな土地に数百人が登記をしたり木を植えるなどし権利を主張する反対運動)などがおこり、末端の公務員と環境保護運動家が激しくぶつかり合っていると聞く。しかし土地は必ず収用され、事業に用いられる運命を、この段ではもうくいとめることができない。さて、SEAを導入すれば、そのようなことが避けられるのだろうか。
国に先駆けてSEAの概念を導入している自治体もいくつかある。
東京都や埼玉県、京都市など、意外に大都市圏である。確かに多数の人口を抱え、都市整備が十分進捗し、地域経済の公共事業依存度が低ければ、SEA導入に対する敷居はそれだけ低くなるかもしれない。
■東京都の環境アセスメントとは
http://www2.kankyo.metro.tokyo.jp/assess/hand/asess.htm
■埼玉県戦略環境アセスメント制度
http://www.pref.saitama.lg.jp/A09/BE00/asesu/1_5_SEA/SEA.html
■京都市計画段階環境影響評価(戦略的環境アセスメント)要綱
http://www.city.kyoto.jp/kankyo/envm/assess/sea/hyoushi.html
これらの先行事例が実際にどのような環境保全につながり、事業推進においてどのような影響を及ぼしたのか、検証する方法はないものか。現場の実務者として、知りたいところである。
投稿者 kamimaki : 2007年03月03日 15:42