« リスクマネジャ | メイン | 豆ご飯 »

2008年03月28日

カナダの昆布

駐日カナダ大使の講演会へいくことに。

大使の話題に「よい外交官とすぐれた外交官」というのがあった。
よい外交官は国益を守るために活動する。
すぐれた外交官は、より広い国々の益になるために活動する。
とのことであったように思う。

大使の今訴えたいことは、自由貿易協定の締結である。カナダにも日本にも益があることだという。もちろん農業は、ほかのどの産業にもない独特の課題をかかえていて、それはカナダも日本も同じだという。

大阪農業は軟弱野菜の供給を主とする近郊農業であるが、そうはいっても自由貿易協定でカナダの市場に入り込むには食文化の違いに大いに差異がある。大阪のふきや若ごぼうは美味しいけど、カナダにそれを食べる文化はないんだなあ。

逆に日本には、洋食文化が食卓におおいに普及していて、カナダの農産物を受け入れる準備はできている。これは日本側の勝ち目の薄い分野であることは明らかである。また、単品でもコンブの市場は注目されるんではないか。大阪はコンブ加工と流通の拠点的要素がある。この冬の北海道コンブの不漁は、年末の贈答市場に多いに影響を与えた。カナダでは先住民の食文化に子持ち昆布が用いられるというが、ほとんどのカナダ人は昆布を食べたりしないのではないか。カナダの昆布が日本に持ち込まれれば関西の老舗がどんな反応を示すだろうか。

自由貿易協定の前に、日本は自国の食文化の継承や普及にまったく後手であったことが悔やまれる。しかし戦後の学校給食による急速な洋食文化の導入などは、ある意味避けられなかったことなのだろう。

この巻き返しに、自治体として取り組めることがたくさんあるんじゃないだろうか。そんなことを考えさせられる講演だった。日本食はエキゾチックであるだけでなく、ヘルシーである。ひょっとすると、わが国の地方農政の現場にいる職員こそ、すぐれた外交官の素養が求められているのかもしれない。

投稿者 kamimaki : 2008年03月28日 22:56