2008年05月18日
きれいな、大阪のあかり。
生まれ育ったところが大阪でも十三(じゅうそう)といえば、「藤田まことの『十三のねーちゃん』やね」とか「夜の街だね」と反応は夜の部である。子ども心にも、夕方に水を打ったカラー舗装がネオンを映し出す時間帯の十三栄町商店街は、やはり十三のまちの重要な景観であると思ったものだ。
学生時代、国語の時間で「場末というのは十三のような町をいう」と言われずいぶん失礼だなと思ったが、返す言葉もなく悔しかった。また「朝の十三は死んでいる」という修辞は極めて名言で、盛り場の路地は酔客の吐瀉物で汚れきっていた。
このネオンの記憶はわたしのふるさとの記憶であり、十三公園の滑り台の上に立てばラブホテルモンブランの看板が見えた。だから幼稚園の頃の弟は滑り台鬼ごっこを「モンブラン」と呼んでいた。頂上に立つとき「モンブラン!」と叫ぶのは、そこが山のように高いからではないのである。
母の実家のある丹波はバスもなければ街灯もない。その代わり星明かりは気味が悪いほど明るく、雲が出ればまったくの暗闇に包まれる。そんな闇の中、蛙や虫がうるさいほど鳴く。蛇を踏まないかと恐れながら公民館の祭りを後に、祖母を先頭に孫たちが一列になって夜道を歩く。わたしも姉の浴衣の袖を、決して離すまいと、後ろから引っ張りながら。
そんな田舎に数日滞在すると、帰阪する列車の窓からネオンが見えればほっとする。大阪の美しさは汚いものを夜の暗がりに隠し、ええところだけに光をあてて際立たせるから物悲しい。それがふるさとの明かり、ネオンの輝きなのである。
ライトアップの構想が大阪府から打ち出されているが、ふとあの悔しい思いをした「朝の十三は死んでいる」という言葉を思い出す。夜見ても昼見ても朝見ても、きれいな大阪でありたいと思う。
そしてさらにライトアップで思い出したのであるが、東京都北区に勤務する和田さんが、道路街灯にLEDを本格的に導入するのだと言っていた。彼によると、このLEDの主要部分は大阪のメーカーの製品であるという。LEDは大阪でも、商店街の節電・環境対策として実証実験を行ったが、当時はLEDの性質上、広い範囲を照らせないなどの課題があった。それが照度の面で厳しい基準がある道路灯に使えるレベルまで開発が進んでいるのだという。北区の報道資料によると、今後区内2万基ある街灯や公園灯をLEDに切り替えていくらしい。
http://www.city.kita.tokyo.jp/docs/press/278/027849.htm
LEDはLED照明推進協議会によると、低電力で長寿命というメリットがあり、光の指向性の高さから光害になりにくいのだという。
http://www.led.or.jp/about/features.htm
和田さんの日記から勝手にキャプチャーさせてもらった道路街灯とLEDモジュールのコスト比較表は以下。決してコスト的にも悪くはない。
画像の確認
また、和田さんによると、アメリカミシガン州のアンアーバー市は全街灯をLED化するという。先を越されたといっておられたが、北区は平成17年度からLED街灯に取り組んでいたので、世界最先端は最先端である。これに続く自治体が増えれば、LED街灯はよりコストが圧縮して導入しやすいものになり、電力消費は抑制されるだろう。
http://www.a2gov.org/government/publicservices/systems_planning/energy/Pages/LEDLighting.aspx
もっと努力できることが大阪にもあると思う。いつの日か、朝も昼もきれいな大阪の夜をライトアップできる時がきたら、ぜひLEDで。それまでコツコツで、かまわへん、と思う。
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なお、LED照明推進協議会によれば、LEDの輝度の高さが人体に影響することもあるという。2002年に行われた実験では、青色LEDがリスクグループ2に分類されているといい、これは「原則的考え方としては,高輝度に起因する嫌悪感や熱的不快感が無い場合でも傷害を与える可能性のある光源。」という分類らしい。なお、青色LED以外はリスク免除グループに分類されるとのことだったので追記しておく。
http://www.led.or.jp/handbook/c_3_4_5_jintai_eikyou.htm
投稿者 kamimaki : 2008年05月18日 16:38