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2008年08月19日
闇の子供たち
夏に向かう前、何か読み物はないかと思って書店に平積みの文庫本を何冊か買った。
うち一冊がヤン・ソギルの「闇の子供たち」だった。映画化するらしいとのことで問題作なのだろうと手に取った。本作品は2002年11月に解放出版社から出版されたもので文庫はこの7月25日で13版。かなり読まれている作品だが、知らずにいた。
読み進みながら、そういえば6月に改正議案が提出された児童ポルノ禁止法のことを考えていた。
http://www.shugiin.go.jp/itdb_gian.nsf/html/gian/honbun/g16901032.htm
また、今日のニュースで改正法案の処罰の範囲で与野党で協議をしているとの報道があった。http://mainichi.jp/select/seiji/news/20080818ddm002010131000c.html
同法は98年に成立し、04年にも改正をしているが、実際の被害がこうした規制で少なからず減ったのだろうか。悲しいかな、被害の現実が浮き彫りにされるばかりで、また驚くべきことに、教職者による犯罪があとをたたない。
「闇の子供たち」に登場する小児性愛者のうち何人は、やはり幼い頃に生きるための売春や性的搾取をされた者という設定もあった。まるで現代の羅生門である。しかし死人の皮を剥ぐ以上の行為が生きた子供たちに行われていることが告発される。売春だけではない、臓器売買もだ。
小説に出てくる日本のジャーナリストがマフィアに狙われた主人公に「この国の子供のことは、この国の人間が解決するしかない」と述べた言葉が主人公の失望を買い、きわめて印象的だった。その昔世界的にも子供を大切にすると定評のあったわが国のはずが、「普通の国民」が、大量の児童ポルノを流通させ、旅先で過酷な環境下の子供たちを蹂躙するおかしな国になってしまったことはいっさい見ていない言葉である。
小説という手法をとっているが、ここに書かれた衝撃的な内容は、無関心の中におきざりされた真実であるとわたしは見て取る。なぜなら国内だけをみても、子供に対するわいせつ行為が数多く発生し、少女たちは知らず知らず出会い系サイトに導かれていく、じゅうぶんにおかしな国になってしまっているではないか。小児性愛や児童虐待ということに対する確たるNO!の宣言がない。あるいは伝わらない。
禁止や処罰だけではない、予防的見地に立脚した取り組みが行われる必要を痛感する。
投稿者 kamimaki : 2008年08月19日 02:05