2008年06月21日
白瓜のお漬物
蒸し暑い午前、昼は素麺が食べたくなって買い物に出ると、白瓜の糠漬けを見つける。
実家にいたころ、母が毎年夏になると、白瓜を買ってきて二つに割り、種をこそげて浅漬けにしていたのが懐かしく。皮に歯ごたえがあり、身から塩味のつゆがじゅんと出てからだの渇きをいやしてくれる。
やっぱり大阪の夏は瓜のお漬物やね、というと、奈良漬の瓜は食べたことがあるが、浅漬けや糠漬けはないという人あり。大阪生まれの大阪育ちでも、お母様のご実家が三重県と聞くと、食文化は母の手料理の伝承がもたらすものとつくづく思う。
糠床がなくても作れる浅漬けは、種をとった白瓜に塩をまぶして出汁昆布を間にしいて重石をしておくだけである。深めのタッパに入れて、タッパより小さめの皿をうつぶせにおいて、重石はあるものでまったくかまわない。夜のうちに仕込んでおいて、朝になるとかなり水があがっている。これを冷蔵庫で冷やして昼に切っていただく。
皮が硬いのが困る人は縞にむくといい。前歯でかるく噛み切れて奥歯で歯ざわりを楽しめる。全部むいてしまうと楽しさがない。
投稿者 kamimaki : 14:29
2008年03月01日
何もないときのクッキー
人からストレスが溜まっている、と聞くと、なんと声をかけたらいいのか、わからなくなる。自分自身があまり溜め込まないタイプ。もし自分が一番ストレスが溜まる原因を無理にあげるとしたら、コミュニケーション不足を感じるときである。とくに家族との会話が少ないときは完全にまいってしまう。しかし子どもたちもお年頃で、以前のように何かにつけて「お母さん、お母さん」ということはなくなってきた。休日もお昼を過ぎると誰もいないことが多くなった。なんだかさびしい。
ここのところ、特に会話が途絶えていた長男から「甘いものが食べたい」とのつぶやきが聞こえてさっそく台所をごそごそ。小麦粉、マーガリン、卵、砂糖だけでできる手作りクッキーを即席で。
即席なので分量は目分量である。
まずマーガリンはふたに225gとある。それで半分をナイフですくってボウルへ。砂糖は甘さ控えめで、大さじに山盛りで4杯。だいたい80gになる。これを小分けにしながらすり混ぜる。
そこへ卵一個。全卵をいれると、中心がややふわっとしたものになる。カリッとしたいときは卵黄を2個だが、卵白が余るのでほかに使い道を考えないといけない。さらに混ぜる。
小麦粉はこれも大さじで5杯、ただし、この盛り加減は混ぜながら調整する。たねが「ぽて」という状態が頃合だ。好みでバニラオイルを少々。ココアを入れてもいいし、炒って砕いたナッツやレーズンもいいが、何もないときのクッキーというレシピなので何もいれない。
オーブンを180度にあたためて、上下の皿にシートを敷き、スプーンですくったたねを、ぽて、ぽてと間隔をあけて掬いおく。これを25分。
見た目は悪いが、会話が生まれる手作りのおやつ。わたしの魔法のストレス解消法である。
投稿者 kamimaki : 16:12
2007年07月15日
伊佐木
朝はまだ台風の風が残っていたけれど、空気が澄んで清清しい。
ベランダでは風にたたきつけられたゼラニウムのピンクの花びらが、白い壁面にへばりついていた。
無残であるが、花を失った葉の緑がむしろ色濃く見える。
坊主頭になった花芽また新たなつぼみが首をかしげている。生命力が強い。
夕ご飯は伊佐木の煮付け。
今旬の伊佐木はうろこを丁寧に落とし、身をおろさずにぶつ切りに。
薄口醤油、酒、味醂、生姜をいれたひたひたの煮汁につけて、火をかける。
骨と身の間からじわりと油が煮汁に浮かぶが、骨と身を離していないためにそれらはむしろ閉じとめられている。
伊佐木の骨は強い(こわい)ので気をつけて。
投稿者 kamimaki : 20:52
2007年06月28日
あじ3品
夕食の買い物に行くと25センチほどの丸あじが一匹180円で出ていた。
店先で目があってしまって、逃げられなくって買い込む。
丸アジはムロアジの属で、見た目には真あじに似ている。ぜいごが尾のほうにしかないのと、尾ひれの付け根に小さなひれがある。
アジの漁獲量は長崎県が第一位らしい。今日買ったのは広島、瀬戸内の幸だ。
伊豆に地震があるときは相模湾のアジの漁獲が増えるという話。
ずいぶん前にこんなことを調べた人がいるんだなあ。
http://www2s.biglobe.ne.jp/~kurisan/koramu/jishin.htmhttp://www2s.biglobe.ne.jp/~kurisan/koramu/jishin.htm
頭を落とすと鮮度のよさそうなはらわたが見え、丁寧におろすとお腹に卵が入っていた。
これは煮付けに。
しょうゆとみりん、酒、砂糖でくつくつ煮る。これを肴にちょっと一杯。
身は今日はから揚げにした。ついでに骨せんべいもつくる。骨せんべいは低温の油でじっくり火を通して最後高温で仕上げる。パリパリと中骨まで齧れる。
から揚げを甘酢、たまねぎ、にんじんの細切り、鷹の爪を敷いたバットにあげて漬け込むと南蛮漬けになる。これも翌日にはアジの小骨が気にならなくなるほど柔らかくなる。
南蛮酢は、酢大さじ2、醤油大さじ2、砂糖小さじ2、ごま油大さじ1、赤唐辛子1/2本という按配だ。
アジの旬はいよいよこれから。
投稿者 kamimaki : 01:07
2007年01月03日
焼猪(?)のレシピ
新年あけましておめでとうございます。
さて、お正月も二日目。いよいよお節料理も残り少なく。
あとは黒豆とにらみ鯛を残すのみ。この鯛は水菜と豆腐で鍋にすると美味しい。塩がきいているので、だしは薄めでちょうどよい。
さてお節料理といえば・・・
実家が蒲鉾卸商をしていたため、年末には工場から届いた蒲鉾の箱が、居間まで積みあがり、それらを朝のうち配達したあとは、商店街の店舗で小売。
年末4日ほどで、山積みの蒲鉾を声高らかに売り上げなくてはならない。
大晦日も最後に店舗の掃除が残るので、連日遅くまで働き、お正月といえばぐったり疲れて寝正月。
とはいえ、忙しい家業の合間に母がつくった心づくしのお節を元旦の朝にいただくために、皆がのそのそとおきだす時間は、一年の中でも食卓に家族が一同にそろう、商売人の一家にはまたとない時間だった。
だからか、やはりお正月にお節がないと落ち着かない。それで年末は毎度のことながら、近所の天満市場に買出しに出て、いろいろ段取りをつけた。
今年のお節は蒲鉾、伊達巻、黒豆、栗きんとん、紅白なます、たたきごぼう、ごまめが一の重、二の重は数の子、ぶり柚庵焼き、海老、焼き豚、酢れんこん。三の重は、にんじん、里芋、れんこん、こんにゃく、くわい、ごぼう、たけのこ、鶏肉の煮しめである。これににらみ鯛と、白味噌仕立ての雑煮。
このレシピを全部書くとなると大変だが、基本的に蒲鉾と伊達巻以外はすべて手作りする。
棒だらのように時間のかかるものは、さすがに台所を占領するのでまだ一度もチャレンジしたことがないが、今年は市場でもどした棒だらを見て少し心が動いてしまった。そのうち必ず・・・
毎年二の重の焼き物は素材を変えて楽しんでいる。かならずしも伝統的な味ばかりがお節ではなく、その家族家族の味があってよいものではないか、と思われる。
今年の干支、亥は、英語で"wild pig"というらしい。
豚はイノシシ科で中国語だと猪と書く。ではイノシシはというと、野猪と書くらしい。
そんなわけで?今回は亥年にちなみ、普段でも美味しく食べられる焼き豚のレシピを掲載。
まずタコ糸で豚の肩ロース肉の塊(600-700g)を縛って形を整える。
そこに、カップ1/2の砂糖を丁寧にすり込む。
カップ1/2の酒に同量のみりん、醤油に、胡椒少々、長ねぎ(葉っぱの切れ端でよい)、しょうが、にんにくを加え、肉を漬け込む。(あればシナモン、クローブ、フェンネル少々も。)
ボールなどで漬け込むと、漬け汁がたくさん必要になるのと、表裏を返さないといけないので、いつもビニール袋を使う。肉と漬け汁をビニール袋にいれて、空気を抜いて密封するだけ。
一晩おいたら、あとは、180度のオーブンで1時間焼くだけである。超簡単。
しかも市販の焼き豚よりも数段美味しい。
残った漬け汁は、ざるで漉して煮詰める。あくを丹念にすくうのが、おいしさの秘訣。
ぜひお試しください♪
投稿者 kamimaki : 00:17
2006年06月11日
夏野菜のコンキリエ
ディ・チェコのコンキリエが安いと、つい、買ってしまう。
コンキリエは貝の形をしたショート・パスタで、窪みに具がよく絡んでおいしい。
ゆで時間は13分とあるが、わたしは少し固めに仕上げてソースと煮込む。
みじん切りにしたにんにく・新たまねぎをオリーブオイルで炒めてひき肉、荒みじんのトマト、なす、かぼちゃなどたっぷりの夏野菜を投入。塩、こしょう、ローリエ、ワインを1/2カップ加えて、鍋にふたをして弱火でとろとろ。
ワインが苦手ならスープストックを。
ラタトゥユの要領で、ふたをしたまま30分くらい火にかけ、ソースが完成。
そこからコンキリエをゆであげて、鍋を火にかけたまま一気にからめながら短時間煮る。
テーブルには皿とフォークと好みの主食・副菜、飲み物を並べてからコンキリエを湯きりすること。
この時点で食卓に皆がそろっていないときは本気で叫ぶこと。
「はやく、はやく!ご飯だよ!」
付け合せはブロッコリやアスパラガスの温野菜や、じゃがいもとベーコンのバター炒めも普通においしい。
パルミジャーノを、忘れずに。
(追記)
市販のスパゲティソースで手軽に作ってもよいが、野菜をゆっくりゆっくり火を通すと、思いもかけない味わいがある。特にトマトは煮込んだものと、フレッシュなもの、2種類を使う。
フレッシュトマトの皮は湯剥きしてもよいし、フォークでさしてコンロであぶっても簡単にむける。
野菜を刻む時間、副菜を作る時間、コンキリエを強火で吹き上がらせないように踊らせて湯がく時間、思いのほか時間に追われる料理でもあるから、野菜を煮込む時間をいかに上手に使うかが決めて。
食卓のセットが間に合わないと、パスタの芯がα化する瞬間の歯ごたえが楽しめない。
叫ぶ前に、「今日はコンキリエ」と、家族によくよく伝えておくことも料理のうち、だったりする。
投稿者 kamimaki : 15:36 | トラックバック
2006年06月10日
鱚(きす)の香草焼き
大分近海の鱚(きす)が届く。
20センチもある大物で、このくらいに成長するのに、5年くらいもかかるらしい。
淡白な魚だと思うが、わたしは皮が焼けるにおいが好きだ。
うすく塩をして、グリルでさっと焼く。
香草はお好みだが、ローズマリーでもバジルでもコリアンダーでもよい。
和風好きなら朝来の岩津ねぎもおいしい。この場合は味噌仕立てで。
みじん切りしたたまねぎとにんじんがしんなりするまでたっぷりのオリーブオイルで炒めたあと、香草を加えてバルサミコ酢をほんの一たらし、わたしはそこに醤油をいれて和風味にする。
これをさきほどのグリルに乗せていただく・・・と、テーブルをみたら、
おなかを減らした子供たちが、マヨネーズをかけて半身ほど食べてしまっているではないか。
その上小骨が口にあたるとかどうとかひとしきり・・・だまらっしゃい!
空腹の子らに急かれる鱚(きす)の骨
(追記)
骨をはずしながら思い出した。
皮の焼ける匂いが懐かしいのは、昔よくこの魚で離乳食を作ったからだった。
安価な魚であるが、最近はあまり店頭でみかけない。
どうも漁獲量が減っているらしい。
というのも、きれいな水でないと棲めないのだそうだ。
近海の汚染が気になる。
投稿者 kamimaki : 14:20 | コメント (744)
2006年05月07日
鯖のへしこ作り
連休中、丹後半島の頂上付近、太鼓山にある環境学習施設「風のがっこう京都」
http://www.kazenogakko.ne.jp/top.html
に娘と娘の友人と宿泊した。夜、「村長さん」こと岡本さんから号令がかかり、「今から鯖のへしこを作ります」という。そろそろ眠たくなった娘たちを励まして、まだ見たことも食べたこともない鯖のへしこなるものを、見よう見まねで作ることに。
なんでも昔丹後で捨てるほど鯖が取れたとき、保存食として作られ始めたのがこの「へしこ」なのだそうだ。
鯖は今回は冷凍の北欧産のものだ。
外来のものに頼らなくてはならないが、それでも伝統食の作り方の体験は貴重だ。伝統食自体が国内の天然資源の枯渇と同時に危機を迎えているのだから。
冷凍のよさは扱いよさもある。半解凍で包丁がとおれば多少素人でもやわらかい鯖を扱いやすい。
用意された鯖は90本。頭を落として2枚におろす。包丁に慣れない子供が投げ出した鯖をやりなおすと、なぜか上身に骨がついたものなど?心配になってくるが、「村長さん」はニコニコしている。
完全に2枚におろされた鯖を、今度は樽に塩漬けに。
「だいらに並べてね」
平らをだいらというのはこの地方の方言らしい。
塩を高いところから振りながら、世間話に花が咲く。
そうこうしていたら、樽いっぱいの鯖の塩漬けができあがる。
水分が上がってきたらこまめに掬い取る。
塩漬けができれば、次に糠に漬けなおして3年もおくのだそうだ。
こちらではぬかごとあぶって食べます。これでご飯が何杯でも食べられますよ、とファシリテータの大江さんが請合う。都会で働いてきた方だが、Uターンでこの仕事についておられる。
食べられるまでに3年かかる食べ物づくり。
今の家庭ではなかなかできることではない。
でも昔の人はそうやって食べ物を大切に、大切に、してきたからこそ生まれた保存方法なのだろう。
3年後、漬けあがるころ、「いただきまーす!」と、ばかりに、再訪したいものだ。
投稿者 kamimaki : 11:12
2005年12月25日
丸まま食べる
今夜はクリスマス・イブということで、クリスチャンでもないのだが、七面鳥ならぬロースト・チキンに挑戦することにした。
ハレの食材は天満市場で仕入れることにしているので、朝早くからかしわやに駆け込む。
内臓の下処理だけをした丸ままの地鶏を入手し、ハーブを買い整え準備万端。
珍しく息子たちが手伝うというので、作業のほとんどを彼らにやってもらう。羽をむしった丸ままの鶏に狩猟本能?が触発されたのだろうか?
丁寧に塩こしょうを皮にこすりこむ。ファンキーな次男が「かなり肩が凝ってますね」などとおちょける。
おなかの中にも塩してね、というと、足の間の穴に手を入れて、神妙に作業している。そこへ長ネギとしょうが、レモン、にんじん、にんにく、タイムをつめていく。
焼く前に皮の表面にバターをぬりつけ、タコ糸でしばり、たまねぎとタイムを敷き詰めた天板におき、220度のオーブンで80分ほど加熱。途中油をすくって皮にまんべんなくまわしかけると、ぱりっと香ばしくしあがる。
その後レバー・砂ずりの筋きりと血抜きを教える。塩水が真っ赤になるのでよう食べないかと思ったが、昼食にこれにえんどう豆を加えたパスタにパルミジャーノをたっぷりとかけると、美食家?の長男からOKサインが出る。朝びきの新鮮さに感謝。砂ずりは歯がない鶏が石を食べて食べ物を細かくするための臓器であるが下処理をしてもらっているので、子どもたちにはそう言ってもぴんとこないようだった。そういえばわたしも鶏にかぎらず内臓といえばトレーに乗っているものしか見たことがない。幸か不幸か?
さて、夕食時に見事に焼きあがったチキンを食卓の真ん中にのせ、切り分けていく。足をはずすと、店先でよく売っている骨付きもも肉の形になり、手羽をはずしてささみを取り出すと、ああこれも見覚えのある形だと納得して食べていく。最後に残った首や背骨、胸郭はスープストックをとる。一度焼いているので薄めのだしだが、ほとんどアクが出ず清らかに澄んであっさりした味になった。
本来は首や足もついてきて、これらもスープのもとになる。昔自宅でラーメンをするといえば、かならず鶏がらを手に入れてきて一からスープをとったものだ。いつのまにか、固形スープの素にお世話になるようになったが、やはり骨から染み出た味わいは自然な滋味に満ちている。
丸まま食べることにコミットできないでいたのは、作業に加わらなかった娘だけだった。学童にいっていたので、機会を失ってしまったのである。気丈な彼女も、切り分けてガラの部分が見え始めると、すっかり食欲を失ってしまった。それに引きかえ作業に加わった男子たちは、まるで獲物をしとめたオオカミのように勇敢にむさぼり食らっている。こういう料理もたまにいいかな、とほくそ笑む。
しかし実際生きたにわとりからしめて、血を抜き、羽をむしって内臓の下処理をする工程は家庭の食からは遠く離れたところにある。生き物をあますことなく食べるということはまことに手塩のかかったものであると痛感。分業にささえられた食卓なのである。
そうして話題はついに、保育園で飼っていた「コッコ」に及び、とうとう娘はフォークを投げ出してしまった。
メリーくるしみます?いのちに、感謝。
ハレの食事はそういえば、尾頭付きといい、丸まま食べていのちに感謝する、そういう含意に満ち溢れているのかもしれない。
投稿者 kamimaki : 03:04 | コメント (146) | トラックバック
2005年12月11日
いわしの梅干煮
梅干は何年かに一度漬け込んでいる。今年はその年にあたっていた。
漬けあがった梅は昔ながらのしょっぱい梅干である。
アク抜きした梅3kgに600gの塩をまぶし、梅酢があがるのを毎日みていると飽きない。
梅雨明け、土用に3日間ほど天日に干すと、黄色い梅がほのかにピンク色になる。
この3日間は梅を裏返してよく干す。梅酢も日にあてると色がほの赤くなる。
土用干しが済むとさらに梅酢に漬け込む。今もう食べごろだ。
薄皮の南高梅でつけると出来上がりにいくつか皮が破れたものが出てしまう。これらは鰯を煮付けるときに使うと味よく煮あがる。
鍋底に出しコンブと片口鰯をひいてひたひたの酒と醤油、砂糖、土しょうが、つぶれた梅干を入れて沸騰から15分間加熱してあとは錘が落ちるのを待つだけ。
鰯といえば昔はよく食べた。片口鰯の目刺はおやつがわりだった。今しっかり乾いた片口はけっこういい値で驚いてしまう。鰯もそれほど獲れなくなったということか。
1960年代は十三の実家の近くにも行商の鰯売りがよく来ていたという。当時専業主婦だった母は、隠居していた祖父とのお昼飯によくこの「ててかむ鰯」をこうて食べたと言っていた。60年代の終わり頃だと思うがあるときとんでもなく油くさい鰯にあたってしまったという。その日を境に行商人は来なくなった。
ててかむ鰯とは手を噛むくらい生きのいい、という意味だろうか。
そういえば先日、かつて大阪湾は「魚庭(なにわ)の海」といわれたほど豊かな海であったと聞いたが、それはわたしが生まれるその前後くらいまでのことだったのだろう、と母の話と重ね合わせた。
ててかむ鰯を手開きにして梅肉としそをはさんで天ぷらにして。
祖父は蒲鉾職人だったから魚にはうるさかっただろう。
その頃のててかむ鰯、いとおしい。
投稿者 kamimaki : 01:57 | コメント (7) | トラックバック
2005年12月04日
熟柿のゼリー
長男は中学の技術工作部に入っている。ふだんはロボットを工作しているが、その活動以外にも、今年は三田に田植え・収穫などの農業体験に行かせていただいたりしていた。ありがたいことにその三田のお土産に、柿をたくさんいただいた。
「甘いのもあるけど、渋いのもあるらしい」といってなかなか手をつけようとしなかったから、いくつかが熟しきってしまった。
柿にはいろんな種類があるが、実生の柿はほとんど渋い。今回の柿は農家の庭先の柿でどっちもある、とのことだった。見た目は富有柿なので熟せば甘いだろう。また、渋抜きはそれほど難しいことではなく、もし渋いようなら焼酎を振りかけて段ボール箱で寝かせておけば抜ける。
渋柿を一度口にしたらもう二度と柿はごめんだ、と子どもたちは思うのではないか、と思うくらい、せつない思いをすることになる。それも経験だからと黙ってほおっておいたらやはり食べない。ふんだんに甘いお菓子はあるし、今時食べ物で冒険をしようと思わないのだなあ。
熟柿を割ってみるとどれも果肉に黒い点(タンニン)が見え、食べてみると大変甘かった。それでこれをゼリーにすることにした。
(材料)小さめのゼリーカップ4ケ分
熟柿3つ(皮と種を取り除く)
砂糖大さじ1
乳酸菌飲料60cc
ゼラチン粉末5g(あらかじめ大さじ2の水に混ぜ電子レンジで20秒加熱)
(作り方)
これらをミキサーで混ぜ、透明なゼリーカップに流しいれ冷やし固めるだけ。超簡単。
乳酸菌飲料の風味付けとミキサーにかけたことで、ムースのような濃厚さが出るが、柿の香り、味わいはしっかりしている。柿が特に好きな人は乳酸菌飲料を使わず、果肉を裏ごしし、レモン果汁を3ccほど加え寒天で固めるほうが自然でフレッシュな味わいではないか、と思う。
このように手を加えて食べるのもいいが、祖母の家の縁側で、山の紅葉をみながら甘いか渋いかどきどきしながら食べた柿の味に勝るものではない。渋いのに運悪くあたってしまい、ぶつけどころがなくて泣いてしまった経験がある。甘いってゆうたやないかア~と響きわたるほど大きな声で泣いたら、裏山でからすがカアと啼く。木のてっぺんの熟柿は、そもそも鳥たちの最後の秋のデザートである。
里の恵に感謝。