時事通信社「地方行政」(1998.11.16)掲載前草稿
米国の「行政評価専門家会合」参加レポート(下)
『フロリダの新しい成功事例・詳報』
玉村雅敏
(慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科)
はじめに
今号では、前号において指摘した「米国自治体における行政評価のトレンド」の三つの特徴すべてを持っている事例として、「フロリダベンチマーク」を中心としたフロリダ州の取り組みについて、大会において報告されたことに加えて、コンフェレンス後に追加調査・取材したことも合わせて紹介する。
ベストプラクティスの新顔―フロリダベンチマーク
「フロリダベンチマーク」は、これまで米国の州レベルのベストプラクティスとして知られてきたオレゴンベンチマークやミネソタマイルストーンに加えて、最近有名となってきているものである。まず、このフロリダベンチマークの概略を紹介する。○フロリダベンチマークとは
フロリダベンチマークとは、七つの主要な領域(家族とコミュニティ、安全、学習、健康、経済、環境、政府)において、一九八〇年から現在まで、フロリダの現状がどのように推移してきているのかを示す二六三の生活水準指標である。「一年では変化を捉えるのは難しい」との理由から、その指標数値は二年毎に導出されることとなっており、これまでのところ、「市民による作業チーム」である「GAP(The Government Accountability to the People)コミッション」によって一九九六年二月と一九九八年二月の二回、出されている。
二年に一度のベンチマークの発行時には、何らかの改定を行って進化させることとしている。一九九八年度版のベンチマークでは、重大な五七指標を「重要ベンチマーク(Critical Benchmark)」として指定し、それぞれについて二〇〇〇年時と二〇一〇年時の到達目標値の設定やその目標値に向けてどの程度前進しているかを示す「重要ベンチマーク報告カード(Critical Benchmarks Report Card)」の掲載、また主に大学や民間部門に属する、一六人の評価専門家のグループによって形成される「ベンチマーク改定特別チーム(Benchmarks Revision Task Force)」によるレビューの掲載、などが行われた。
このベンチマークの位置づけとして、GAPコミッションは以下のような三つの定義付けをしている。
- 「ベンチマークは州を目指す未来へと案内する道具である」
- ベンチマークは、二〇〇〇年と二〇一〇年の時点でのフロリダの理想像へ向けて、フロリダ住民が前進するのを助ける役割を持っているものである。
- 「ベンチマークはフロリダの通信簿である」
- 「ベンチマークは『木を見て森を見ず』といったことがおきるのを防ぐものである」
- 政府の活動は時々バランスを失ってしまい、特定のプログラムやサービスばかりを重視してしまうといった傾向を持っている。ベンチマークを全体的にみることによって、州政府が全体として何をしているのかの視点を常に持つことができるのである。
○フロリダベンチマークの誕生
フロリダ州では、このフロリダベンチマークの作成に約五年間の年月を費やしている。ベンチマークの作成はGAPコミッションによって進められたが、まず指標の設定の段階では、GAPコミッションによる全体の枠組みの設定がなされた後、数回の公聴会を重ね、また評価の専門家からなる「テクニカルタスクフォース」の助力を得て、数百もの指標候補から二六三個の指標を選び出すという方法が取られた。
そして、続く「重要ベンチマークの到達目標値(Critical Benchmark Goals)」の設定の段階では、フロリダ州全地域の約700の民間企業や公共機関、市民団体を巻き込んで進められた。この目標値の設定は、第一回目にフロリダベンチマークのレポートが出された一九九六年の翌年一九九七年に、GAPコミッションによって行われた。GAPコミッションは、フロリダベンチマークから特にフロリダ州の未来にとって重要であると考えられる、また、フロリダの生活水準(Quality of Life)全体を投影していると考える、五七の指標(例えば、貧困生活をする人々の割合、乳幼児の死亡率、平均収入など)を「重要ベンチマーク」としてまず指定し、「二〇〇〇と二〇一〇年の時点でのフロリダ州の理想像」といった視点から、九五の州中の組織(例えばFlorida Chamber of Commerce、League of Women Voters , Florida League of Citiesなど)に属する二〇〇〇人に質問用紙を送付するといった「住民ニーズ調査」を行った。その際には、質問用紙と合わせて、回答者が判断を下す際に役立つよう、対象指標の時系列の変動データや比較対照となるようなデータの提供もおこなった。結果として、約七〇〇以上の回答が得られ、それをもとに、GAPコミッションは、住民の希望を反映させた結果として、やや挑戦的ともいえるが達成の可能性はある「重要ベンチマークの到達目標値」を設定した。
その目標値の達成度合いは、一九九八年度版のベンチマーク報告レポートにおいて、五七の重要ベンチマークについて九六年時と九八年時との変化を比較することで、2000年に設定されている目標値に向けてどの程度前進しているのかを示す「重要ベンチマーク報告カード」として掲載されている。その結果は数値の変動を示すのと同時に、「Yes」または「No」のコメントがつけられ、目標値へ向かっているか否かの状況が、一目で分かるようになっている。「No」とコメントされている場合には、フロリダは現実的には良いというよりも悪いほうへと向かっているということを示していることになる。
○GAPコミッションとは
GAP(The Government Accountability to the People)コミッションとは、フロリダ住民に対してアカウンタビティを達成でき、また住民に対して反応のよい州政府を実現することを目的とする市民による委員会であり、「フロリダベンチマーク」の開発や「重要ベンチマーク達成目標値の設定」などを行っている。(詳細は、http://fcn.state.fl.us/eog/document.htm参照)
一九九二年に州知事のLawton Chilesによって設立されたGAPコミッションは、1994年の州法(Government Performance and Accountability Act)によってフロリダ州議会により追認され、州政府がフロリダ住民の生活を向上させる方向へ向かっているかどうかを監視する役割が担わされている。
その委員は、民間部門からの九人と公的部門からの六人の合計一五人のメンバーで構成することが法律によって定められており、州知事によって任命された後、フロリダ州議会上院によって承認される必要がある。また、選出する基準として、以下の点を設定している。
- 任務に当たっては、州政府に対する「第三者」の視点で活動すること
- 委員は、州のリーダーたちであること(例えば、民間企業の経営者、市長、学校の理事会のメンバー、州政府の部局の長などがボランティアとしてその役割を果たす)
- 委員は、何らかの形で広範な地元・地域・州レベルのパブリックサービスの経歴をもつこと
- 委員全体として、公共政策の論点を幅広くカバーできるバックグラウンドを持つもので構成すること
- 構成委員は、主要な州の各地域からバランス良く選出すること
その予算はおおよそ三十三万ドル(州予算の0.000006%)程度であり、その使途は四人の専門スタッフの給与と最低限の運営費に利用されている。
GAPコミッションの役割はあくまで、「政府と地域社会によってなされている努力は成果を上げているのかを、全州的に計測する方法として、ベンチマークを提供すること」までとしている。この発想の背景には、地域の問題の解決には問題に一番近い人が意思決定をして解決へ向かうべきだという認識と、フロリダ住民にとって満足のいく状態へとフロリダ州を近づけるために政府がとる行動である政策と予算の決定を行うことは、結局のところ、州知事と州議会の役割であるとの認識がある。
○フロリダベンチマークの利用
GAPコミッションによるベンチマークの位置づけは、ベンチマークとはあくまで「フロリダの通信簿」であり、その利用はフロリダの生活水準を向上させる責任を持つ「すべてのフロリダ住民(政府、民間企業、市民団体、住民個人など)」によってなされるもの、とされている。すなわち、地域を改善する際には、政府はいくつかの領域においては他者よりも重要な役割を担うものであるが、問題のすべてを解決する役割を果たすことはできないと考え、多様な方法で住民を巻き込むこと(Citizen Involvement)を実現しようとしており、その仕掛けの一つとしてフロリダベンチマークを位置付けて利用しているのである。
また、四〇〇億ドルを越える予算を使って、フロリダ州を住みやすくする役割を担っている州政府が、「税金を用いて何を達成しているのか?」といった質問に対するアカウンタビリティを実現する目的でもベンチマークは利用されている。フロリダ州議会は二〇〇二年をめどに「成果ベースプログラム予算制度(Performance-Based Program Budgeting)」の導入を進めている。この制度は、州政府の各部局に対して、毎年費やす金額に見合う確固たる成果(パフォーマンス)を達成することを求めるというものであり、このシステム下では、すべての部局は、二〇〇二年までに、予算の利用によって達成した成果を説明できるようになっていることを求めている。この「成果ベースプログラム予算制度」を実現するには、プログラムのアウトカムを測定することが不可欠となってくるため、ベンチマークとの関連付けが重要となっており、この面からもベンチマークの役割が期待されている。
フロリダベンチマークを見ると、いくつかデータの欄が空欄であるものがある。例えばフロリダ州における就労人口、住宅の質、生態系の健全さなどである。これは、ベンチマークの作り方の影響で空欄となっているものである。ベンチマークをつくる際には、データの入手可能性はまったく考慮せず、「フロリダ州にとって重要であることは何か」との議論から進め、「フロリダ州の状態を示すために、計測したら良いであろうこと」を指標として設定した結果、空欄となっているのである。空欄になっていることは、現在のところ、データソースは存在しないということか、存在してもデータは無効または信頼性がないものであるということ、もしくはデータは集めるのにコストが掛かりすぎるため難しいといったことを意味している。しかし、こういった「空欄である」ということを、GAPコミッションは逆に長所として捉えている。政府の担当部局や民間団体などがその空欄を埋めるために進める、データソースの開発努力やデータを集める努力自体も、フロリダの生活水準を向上させるために役立つと考えているのである。
FGAR ―インターネットを利用した政府のアカウンタビリティの実現
「アカウンタビリティ」を求められる時代では、政府のやっている活動・プログラムの全体像をいかに示すかが重要になってきている。すなわち、政府では、どういった活動を、どのような組織体制で、どのように進めているのか、また、どういった根拠を持って、どういった目標へ向けて進んでいるのか、などといったことが誰にでもわかるようにすることが求められているのである。こういった政府の活動内容を効果的に住民に説明しようとするときに、広報誌や報告書といった紙面上で記述や、公聴会・説明会・TV広報などの口頭による解説は、幾分、困難性をもつものであった。なぜならば、
- 政府の行っている多様な活動やプログラムは相互に密接に関連し合っていることが多く、紙面上や口頭では、その関係性をうまく記述することは難しかったこと、
- 政府の活動とは常時行われているものであり、政府の活動状況を示すデータなどは常に変化しているものであるため、冊子などで公表したデータは現時点のものを必ずしも表現しているとはいえないこと、
- 冊子にしろ、公聴会にせよ、配布の範囲や招集の規模・発表の分量には限界があったこと、
などの情報伝達方法の限界を持っていたためである。
こういった、政府のアカウンタビリティを実現する際に発生する、政府から住民への情報伝達の手法の限界に対応する方法として「インターネットの利用」が注目されている。それはWWW(World Wide Web)の仕組みとデータベースを組み合わせて利用して、住民へはホームページとして情報を提供するといった形での利用である。こういった形でのインターネットの利用により、
- 政府の活動やプログラムを解説する際に、ハイパーリンクを利用して柔軟な相互参照関係の構築できること、
- 外部の情報源も含めた、関連文章の参照が容易にできること、
- (紙面などと比較して)公開する情報の分量の制約をクリアできること、
- 常に最新の情報に、いつでも見たいときに、わざわざ出向かずとも、どこからでもアクセス可能であること、
といった利点が生まれてくる。こういった利点により、政府のやっている活動に対する理解は深まり、アカウンタビリティ実現へ向けた行動の効果は高まってくるのである。
こういった形で、政府のアカウンタビリティ実現にインターネットを利用している一つの例として、フロリダ州が進めているFGAR(Florida Government Accountability Report)があげられる。
○FGARとは
FGARとは、フロリダ州のOPPAGA(the Florida Legislature's Office of Program Policy Analysis and Government Accountability)によって開発された、いうならば「フロリダ州政府の活動に関するインターネット上の百科事典」である(http://www.oppaga.state.fl.us/government から参照することができる)。
これまでは、フロリダ州政府がいったい何をしているのかといった情報や、フロリダ州政府がいかに住民の要求に答えているのかといった情報は州政府の各部局それぞれが把握しており、分散して存在していた。そのため、類似の活動をしているプログラム同士を比較するといったことは難しかったのである。そこで、これらの情報をアクセスしやすい一個所の場所にまとめて置き、柔軟に検索することのできる検索ツールとあわせて利用することで、相互に比較ができるようにしたのがFGARである。FGARには、約四〇〇の州のプログラムほぼすべてについて、プログラムの目的、提供主体、運営方法、予算と人員配置、政策課題や評価指標の品質などに対するOPPAGAのコメント、フロリダベンチマークとの関係などについて、短いレポート「プロファイル」として蓄積されている。
また、こういった仕組みを作ることによって、プログラムのパフォーマンスに関する情報を蓄積し、二〇〇二年の実現をめどに進めている「成果ベースプログラム予算制度」の実現に貢献することも目的の一つとしている。
○各プロファイルの構成
FGARには、州が行っている約四〇〇のプログラムそれぞれについてのレポートが、複数のドキュメントからなるプロファイルとして蓄積され、随時更新されている。そのドキュメントはおおよそ一四〇〇以上用意され、それぞれハイパーリンクを用いて相互に結び合わさっている。
プロファイルは大きく見て、「フロントページ」と呼ばれるプロファイルの標準的な説明情報が記述されているページと、そのフロントページからリンクされている「バックページ」と呼ばれる追加的な詳細情報のページの二種類ある。
フロントページは、大きく見て以下の五つのセクションから構成されている。
@プログラムの解説
このセクションでは、なぜフロリダがそのプログラムを提供しているのか、どのように運営されているのか、誰が提供しているのかについて記述されている。また、そのプログラムを行う根拠・正当化する根拠となる、「フロリダ憲法」や「フロリダ州法」といった法律の該当する項目へリンクが張られている。Aプログラムへの投入資源
このセクションでは、このプログラムを運営するために投じられる予算総額と人数が報告されている。その表現方法は、前予算年度のプログラムへの「支出実績額」と、今年度、議会により割り当てられた「支出予定額」を比較するなど、様々な方法で提供されている。Bプログラムの効果測定
このセクションでは、プログラムの成果として各部局はいかに答えているかについての評価が記述されている。具体的には、プログラムの活動に関連するGAPコミッションのベンチマークの記述や、「成果ベースプログラム予算制度」への取り組み状況が報告されている。Cプログラムの争点と評価
このセクションでは、このプログラムの政策争点と達成された効果に関してのOPPAGAのコメントの要約が提供されている。D関連レポートと情報
このセクションでは、このプログラムやプログラムの評価に関連するFGAR以外の情報の紹介とハイパーリンクが提供されている。また、問い合わせ先、担当部局のホームページへのリンク、このプロファイルを担当したOPPAGAのアナリストの情報なども提供されている。各フロントページの左上には、「プログラムレベル」と呼ばれる、小さな三角のアイコンが記述されている(図参照)。このアイコンには三つのレベルの「箱」が用意され、いずれかの箱の中にチェックマークがついている。このチェックマークの位置によって、今見ているのはどのレベルのプログラムのプロファイルなのかがわかるようになっている。各部局の役割を定義しているようなプロファイルの場合には一番上のレベルに、比較的大きく包括的なプログラムであり、また下位のプログラムを持つプログラムの場合は中間のレベルに、実際の戦略レベルのプログラム場合には一番下のレベルにチェックマークがつくことなる。また、そのプロファイルより上位レベルのアイコンの横には、関連するプログラムの名前がかかれており、そのプロファイルへリンクがされている。
また、このフロントページから参照できるバックページにおいては、フロントページでは概略として記述されていた事項について、必要に応じて追加的なより詳細な情報を提供している。
○プロファイルの見方 ―八つの検索ツールで多様な切り口から閲覧
FGARでは、目的のプログラムのプロファイルに簡単に到達できるよう、また、トピックやキーワードに応じて関連するプロファイルをまとめてみることができるよう、以下の八つの多様な検索方法を提供し、様々な切り口から政府が行っている活動に関する情報を見ることができる。
@トピック領域検索
この検索方法では、十四のトピック領域(農業、消費者保護、犯罪と青少年裁判、文化芸術、経済開発と雇用、教育、政府支援、健康と社会福祉、政府間・地域間の問題、司法、富くじ、天然資源と環境、交通運輸と高速道路の安全)を辿ってプロファイルを参照できるようになっており、トピックに応じてプロファイルをまとめて参照することができる。Aキーワード検索
各プロファイルにはそれぞれ一〇以上のキーワードが指定されている。そこで、この検索方法では、同一のキーワード毎にプロファイルをまとめて参照できるようになっている。具体的には、約三〇の領域に分けられた一五〇〇以上のキーワードが用意されている。B全文検索
この検索方法では、任意の言葉を指定することができ、ドキュメントに含まれる任意の言葉から検索することができる。また、ANDやORやNEARといった条件検索や?や*といったワイルドカードを利用した検索も可能となっている。C部局検索
ここでは、プログラムを担当している部局ごとにプロファイルが分類されている。すなわち、どの部署がどういった予算を持ってどのようなプログラムを運営しているのかといった切り口から情報を参照できる。Dアカウンタビリティ実現度の検索
一九九八年二月、OPPAGAは各プログラムのアカウンタビリティの実現度を以下の四つ項目で評価している。
- 目的とゴールの明確さ
- 業績評価の指標の的確さ
- データの信頼性
- マネジメントにおけるパフォーマンスに関する情報の利用度合い
その際の得点の付け方としては、それぞれについて以下の三つのうちからどれかを指定している。
・期待に適っている
・若干の改善が必要である
・本格的な改善が必要であるFGARにおいては、四項目の評価それぞれを得点毎に分類して閲覧することができる。また、その際には検索対象の部局やトピック領域の指定もできるようになっている。
E経営資源利用状況検索
この検索方法では、一般歳入、州債による財源、財源総額の三つの財源タイプについて、金額で範囲を設定して検索することができる。また、その際には検索対象の部局やトピック領域の指定もできる。F「成果ベースプログラム予算制度」検索
この項目では、成果ベースプログラム予算制度への取り組み状況から検索できる。GGAPベンチマーク検索
プロファイルの中にはGAPコミッションによって作られているフロリダベンチマークの指標を含むものもあり、この側面からの検索ができるようになっている。最後に
今回、米国を中心とした行政評価の専門家の大会に参加して、また参加者の方々と会話をしていて感じたのは、「行政評価の手法は自分たちの地域を豊かにするものであり、それはすなわち、自分たちの目的を達成するものである」といった共通認識の上に、各地で企業家精神を発揮して試行錯誤が繰り返されている、といったことである。実際に進めていく上での苦労はあり、成果が突きつけられる厳しいものでもあるのだが、徐々にその結果が着実な成果として現れ出し、地域が変わってくる様を目にすることができるようになってきているのである。それは、まさに大会のタイトルにある「結果を出すための経営(Managing for Result)」へ向けた行政の改革が各地で進んでいるのである。
現在、日本においても公的部門における経営のあり方として「評価システム」の導入が注目されている。これは民間経営手法を行政に取りいれようとする、世界的な「新しい公的経営(New Public Management)」の潮流とも軌を一にするものである。その際には、制度や慣習等の違いはあるものの、米国や英国の先進事例の経験は何らかの示唆となるものである。その成果は、今回紹介したFGARのように、インターネット上に蓄積されるようになってきている。日本らしい公的部門の経営のあり方を創り出す際には、インターネット上に蓄積されている世界中の資料は大変役立つものである。ぜひ積極的に活用していきたいものである。
(※本文章は執筆者原文のものです。掲載のものとは若干異なります)