10:下水整備で市民投票
馬場@ポートランドです。
「広報」の話が当談話室でも話題になっていましたが、ポートランド市のアンケートが面白かったのでご紹介します。
この手の「PR(Public Relations)」には、米国がやはり一日(以上?)の長があるようで、個人的には素直に脱帽しております。
「市民投票」というと大げさですが、そういう名目でポートランド市の環境局が全市民対象に興味深いアンケートをしています。私のアパートの郵便受けに入っていたものですが、実際に「投票用紙(ballot)」と書いてあるところがアメリカらしいところです。
内容は「下水河川整備長期計画」ともいうべきものですが、市民によるタスクフォース(たぶんプロジェクトチームのようなもの)が検討した見直しの素案3つについて、どれがよいか市民の意見を求めるものです。
「河川の溢水防止」「水辺の回廊(水辺の自然の回復)」「地表の雨水対策」という3つのポイントに絞った上で、ウエイトづけを変えて3つの素案としています。
またそれにより変化する総投資額と将来の下水道料金がはっきり示してあります。非常に複雑な政策判断を、簡明に整理して提示しているところに、なんというか「年季」を感じます。うまいなあ、と素直に感心しています。
素案自体が市民に開いたところで練られているので、オープンにしても問題がないのだと思います。これぐらい行き届いた「市民意見の聴取」をしていれば、事業実施段階になって「オレは聞いてない(役所が勝手に決めやがって!)」とは言われないですむでしょうね。職員としてもうんと仕事がやりやすくなるのでは、としみじみ思います。
簡単に3つの選択肢を整理すると
選択1 選択2 選択3
(現計画) (適応計画)(修正適応計画)
溢水対策 努力レベル 高い 高い 中位
投資額 $5.6億 $4.7億 $4.3億
水辺回廊 努力レベル 低い 中位 高い
投資額 $0.2億 $0.3億 $0.6億
地表雨水 努力レベル 低い 中位 高い
投資額 $3.0億 $3.1億 $3.3億
将来の下水道料金月額
2000年 $32.47 $32.47 $32.47
2010年 $62.92 $57.69 $61.67
2020年 $90.96 $102.32 $98.94
管渠、排水施設などの「ハード」整備中心であった現計画を環境により配慮したものに変えると同時に、市民負担増をお願いするものです。
どういう結果が返ってきて、どう使われたのか、そのうち聞いておきたいと思っています。