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11:読書の時間


馬場@ポートランドです。

 学校の話が多くなって恐縮ですが、こちらの学校は、私のように純国産で地方で教育を受けて育った地方公務員にとっては、まるでビックリ箱です。驚きの連続です。娘は「アメリカの学校、好き!」と言って元気に通ってくれていますので何よりですが、多少は「国際通」と自惚れていた親の方が、結構しばしば虚を衝かれ、ショックを受けています。

 今日、娘の英語補充授業(ESL:English as Second Language 第二言語としての英語)を担当する先生とクラス担任とで話し合いを持ちました。親としては、英語で進められる授業がさっぱりわからないのはやはり不憫ですので、「早く英語が上手にならないと・・」という焦燥感を感じてしまいます。また一方で「日本の勉強に遅れてはいけない」わけで、日本語での勉強も手を抜けません。実際、当地の日本人子弟は土曜日には日本人学校(補習校)に通っており、とても忙しいのです。週一回の授業で日本の進度についていかないといけませんから、山のように宿題が出ますし。うちの娘も「うちに帰ったら勉強ばっかり」とぶうたれていました。で、効率的な英語学習法をうかがおうと張り切って出かけたわけでしたが・・

 ESLティーチャーのリンダ先生いわく「楽しんで学ぶのが一番です!」( Fun is the most important.)。力みまくっていた当方の肩から、ガクッと力が抜けました。「英語の修得には、友だちと遊ぶことが一番。次には『セサミストリート』などの映像教材ね。」まずは、聞くこと。聞いて理解することから、次に話すこと。そして読み書きという順であり、どんなに頑張ってもある程度話せるようになるには3ヶ月から半年はかかるから、「子どもがカンファタブル(居心地が良い)」であることが大事ということでした。

 さらに、担任のオドーティ先生から「リーディングの時間には日本の本を読みなさい」と言われてさらにビックリ。前から「読んでいい」と言われていたものの、親としては「良くないんじゃないか」と思っていましたから。だって日本の学校でアメリカ人が一人だけ英語の本読んでたら絶対嫌われちゃいますよね。娘の英語習得の妨げにもなると思い、昨晩「日本の本を読むのは止めようね」と娘を説得したばかりでした。リンダ先生の方を見ると「ザッツ・グッドアイデア!」とニコニコ。これには本当にビックリ。「彼女にも楽しみが必要よ。」なのだそうです。オドーティ先生も莞爾と笑って「リーディングは楽しみの時間だから、好きな本を読んでいいんですよ。」とおっしゃいます。さらに「違う言葉の本を読んでいる子がいるということは、クラスの多様性(Diversity)が豊かになることで、とても良いことです。」と大まじめに言われました。「違う」ことをプラスの価値とする思考が、徹底しています。思わず自分の「日本人的発想」を思い知らされました。

 ひるがえって、日本の学校に学ぶ「外国人の子どもたち」のことを思い起こしました。福岡市の市立小中学校にも確か数百人のオーダーで在籍していたと思います。日本語の指導も熱心に取り組まれていますが、日本語の環境に適応するのはとても大変なことようです。とりわけ無意識に「異質性」を排除しようとしてしまう我が文化においては、外国人から来た子どもたちは苦労しているだろうなと思います。「アメリカに来た子どもたちは、最初の一ヶ月はとてもハッピーなのよ」とリンダ先生が言っていました。特別扱いされる最初の一ヶ月が過ぎると、それなりに色々問題が出てくるということなのでしょうが、果たして我が日本では、外国人の子どもたちに「ハッピー・ワン・マンス」を用意してあげられているのだろうかと、思わず考込んでしまいました。


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