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12: ICMA総会


 9月26日(日)から29日(水)まで、当地ポートランドにて「国際市/郡経営協会(International City/County Management Association)」の年次総会が開催されました。創立1914年(大正3年)、今回が85回目の年次総会になるという歴史ある団体です。参加者は米国を中心に 3,800人を超えていました。英語圏諸国からは百人以上、非英語圏からはさすがに数は少ないものの、日本をはじめ、韓国、ブラジル、ブルガリア、メキシコ、スロヴァキア、スペイン、スウェーデンなど。イスラエルから来ている人の肩書きが「パレスチナ地方自治体協会」となっていたのは印象的でした。「自治体経営」及び「新行政経営」に対する国際的な関心の高まりを感じます。

 会場はオレゴン・コンベンション・センター。ここがまた典型的なコンベンションセンターで、大きな展示場に多数の会議室、レセプション用の宴会場が併設されているというとても能率的近代的なコンベンション施設です。センターのまわりには大きなホテルが三つ・四つ建っています。四千人規模の大会になると、まわりのホテルだけでは収容しきれずに、ポートランド市内じゅうに参加者があふれていました。(大会にチェックインするとくれる、黒いバッグを持っているのですぐわかる。)

 展示場には、ICMAの出版物のコーナーがどーんと場所をとってあり、ICMAの活動の活発さが反映されています。その他は企業ブースで、情報関係とコンサルタントや研究機関が目立ちました。個人的には、役所用のコンピュータのソフト&ハード(いずれは備品消耗品も)をオンラインショッピングできるという「GovStoreUSA」という企業が面白かったです。パンフに「数多くのブランドの中から性能と価格を一発比較!」なんて謳ってあったりして。検索から注文、支払いまで全部インターネットで処理してしまうという、昨今米国で隆盛を極めつつあるオンラインビジネスのひとつです。参考までにURLを書いておきますので、興味のある方は覗いてみてください。 

http://www.govstoreusa.com

 大会では日替わりの基調講演、数多くの分科会、グループ・ミーティング(関心を共有する人たちが集まって情報交換・交流)などが同時並行で行われていきます。セッションのテーマを眺めるだけで、現在、ホットなテーマが何かがわかります。

 今回目立ったのは、インターネットを中心とする情報化関係、パフォーマンス・メジャー(成果測定)、市民参加( Publoc Involvement)など。政策テーマでは「持続可能な成長」の発展型(?)である「賢明な成長( Smart Growth)」という言葉がしきりと出ていました。その他公務員倫理、人事管理など、いかにもありそうななものの中には「市長などの公選職の人たちからのプレッシャーにどう対応するか」といった「シティマネージャー」という職業ならではテーマがあったりします。

 私が参加したセッションでは「倫理的に混乱した人たちと、それを愛する人々(The Ethically Confused and the People Who Love Them)」というのがおかしかったです。ステージに典型的な「倫理的に混乱した」タイプ三人が登場。ひとりは「人生を楽しむ」タイプの黒人男性・・いかにも脇が甘そうな。ひとりは「買い物中毒」の中年女性・・市役所のクレジットカード(そんなものがあるらしい)を預けるのは危険そう。そして最後は、やたらに声のでかい政治的「ごろつき」タイプ。こういう人たちが、いかにもそれらしい格好をして、そのアブナイ言行を面白おかしく誇張してしゃべるもので、会場は爆笑の渦。とても芸達者な人たちでした。でも残念ながら私の英語力では、どこがおかしいのかさっぱりわからず、満場の笑いの中でひとりつくねんと真面目な顔をせざるをえないという別種の喜劇を演じておりましたが。

 総会に参加して、米国における「シティマネージャー」という職業の、ダイナミックな「あり方」を強く感じました。自治体の現場と、コンサルタント会社、そして大学などの研究機関で構成される「業界」が確立していて、人材がその中でぐるぐる流動しています。都市経営で実績をあげた人は、「スター」マネージャーとして、名声とともにそれにふさわしい処遇で新しいポストに移動します。国情が違う中で、同じ事ができるわけもありませんが、日本でも「都市経営のプロ」という職業が成り立てば素晴らしいと思います。例えば財政再建のプロ(必殺立て直し人?)が財政危機に瀕した自治体に雇われる、例えば地域起こしのプロが衰退しつつあるまちから乞われてやって来る(助け人走る?)・・・。そういうプロ集団が日本でも現れれば、これからの地方分権の時代、自治体の足腰がどれほど強靱となることか、と夢想するところです。


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