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2:ポートランド・プロスポーツ事情


馬場です。

この週末は月曜日が独立記念日で休み。インデペンデンス・デイで花火大会とかがあるみたいです。おかげで少し余裕があるので「オレゴンだより」第二弾をお送りします。

ポートランド市には現在、下記のようなプロスポーツチームがあります。

・ポートランド・トレイルブレーザーズ
あのNBAのプロバスケットチーム。今年も優勝を争っていました。

・ポートランド・ウインターホークス
アイスホッケー

・ポートランド・ロッキーズ
3A(大リーグのすぐ下)のプロ野球チーム。

 

 このうち、ロッキーズが本拠地にするシビック・スタジアムは市の所有のものですが、その改修計画にあたってヴェラ・カッツ市長は民間会社と大変興味深い提携計画を結ぼうとしています。来週の水曜日には市議会に承認をもらう運びになっている計画の概要は下記の通り。(地元紙「ジ・オレゴニアン」による)

◇相手先 ポートランド・ファミリー・エンターテインメント(PFE)
地元の出資でできた民間会社

 

◇提携の条件

・市は33百万ドルを投じて球場を改修し、その運営管理をPFEに委ねる。
・PFEの履行すべき条件
 1.3Aのプロ野球、Aリーグ(上から2番目)のプロサッカーの本拠地とすること。  2.90万8千ドルの年間賃貸料(毎年4%アップ)
 3.施設改善資金として毎年20万ドルを積み立てること。
 4.入場料収入の10%を市に支払うこと。
 5.PFEの収入・収益は市にも分与されること。
 6.改修コストが37百万ドルを超えた場合はPFEが払うこと。

 

 こうして見ると結構キツイ条件ではないかという気がするのですが、会社側はとても強気です。「チームと球場の所有と運営が結びつくことにより、ファンやスポンサー、広告主に対してもっと魅力的なパッケッージを提供できる。例えば、大人気の女子サッカーワールドカップを当地であと2回開催できる可能性があったのだが、ロッキーズとの日程調整がつかず、みすみす逃してしまった。これからは球場とチームの運営者は一つなので、そんなことはなくなる。」カッツ市長も「民営化」の一例として力を入れています。そして、新たにプロサッカーチームを持つことができるメリットを強調されています。「ふつう、3Aチームの経営者はサッカーチームを買おうとか思わないわよ。」

 市の投資額33百万ドルの償還は、毎年約310万ドル(20年)になるのですが、会社から市に支払われる額は、初年度で210万ドル、6年以内に310万ドルになる予測で、7年目以降は「市は儲かる」ことになるそうです。現在、当地は好景気ですのでPFEの予測もあながち根拠のない話ではないのでしょうが、バブル崩壊という手痛い経験をしてきた日本人としては、少々心配です。まぁ「協定書」は26ページにものぼるそうなんで、予想ほど儲からなかった場合のことも考慮してあるとは思いますが。

これがうまくいけば、市は賢明な投資者として税金を使わずに大きな成果を上げたことになり、「ニュー・パブリック・マネジメント」の教科書に載せていいような実例となります。

 ともあれ、改修が完了するのは、2001年の春です。


記事の最後に載っていた「Q&A」が面白かったので翻訳しておきます。

Q.これで、ポートランド・ロッキーズはどうなるの?

A.今のオーナーからPFEが4百万ドルで買うことで合意しています。

Q.これで、大リーグのチームがポートランドに来る可能性が大きくなるの?

A.市も会社も「大リーグチームを呼ぶためには3Aチームを支える力があること見せなければならない」といっていますが、そうじゃない前例もあります。例えばバッファローのような他の都市で3Aチームがうまくいっているケースもありますが、激しい大リーグチームの誘致競争の中でバッファローの名前を聞いたことはありません。また、最近では1993年まで、ポートランドに複数の3Aチームがあったこともあります。

Q.ポートランドはこれからもサッカーの大リーグチームの誘致を続けるの?

A.サッカーの大リーグでは、野球と施設を共用しないことを方針にしています。このため、今回の合意では、一つ下のレベルのAリーグチームを誘致することにしました。


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