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23:あめりか寿司屋


新千年紀最初の「ポートランドだより」です。

 東部では大寒波襲来だというのに、ここオレゴンは暖冬です。今日はきれいに晴れ上がった青空が広がり「本当にオレゴンの冬か?!」という感じです。少し暖かくなると極端に薄着をしたがるのが欧米人で、Tシャツ一枚で道を歩いているお兄さんがいました。(この真似をすると日本人は確実に風邪を引きます。体格と皮下脂肪の量が断然違います。)

 ニューミレニアムは、やはりキリスト様の門徒衆にとっては殊の外目出度いものであったようで(なにせ教祖様の生誕二千年)、全米各地で盛大に祝われていました。ここポートランドでもカウントダウンでも大騒ぎしていました。都心の広場には一万人以上が集結、広場に入りきれなかった若者たちが、簡易トイレの上によじ登って騒いでいたら、プラスチックのトイレの屋根が重みに耐えかねて崩れてしまいました。

みんな一蓮托生で落っこちてしまい、また大騒ぎ。飲み過ぎてつぶれているアメリカ人の酔っぱらいを初めて見ました(通常、こちらで路上で酔っぱらっている人はアル中かホームレスの「人生終わっちゃった」人たちだけです)。結局、新年の花火は見れませんでしたが、それなりに珍しいものが見れました。

 で、やはり正月は目出度いということで、家族で寿司を食べに行きました。安くてうまいで有名な「三郎」です。開店してすぐ行ったのですが、早一時間待ち。看板も上げていないのに外では行列、40席ばかりの店内はアメリカ人でいっぱいです。にぎり1ユニット(2個)が3〜4ドルという日本国内よりもお安い値段で、新鮮で旨いネタが食べられます。あの野茂投手もシアトルで試合があるときには食べに来るという評判の店で、アメリカ人たちで押すな押すなです。あんまり客が多いもので「注文は最初の一回だけ。追加注文はなし。」という超強気のシステムです。

 隣のアメリカ人のところに「どんどんどん!」と大きな皿が置かれます。それぞれサーモンばかり、マグロばかり、カリフォルニア・ロールばかりが山盛りです。それを大きな醤油皿の「たぷたぷ」の醤油に「どぶん」とつけてばくばく食べています。

「お前らなぁ、寿司ってぇものは、いろんな種類を盛り合わせて色と形のバラエティを目で楽しむもんなんだぜ!」と(思わず江戸弁で)思いました。いやぁホントに食べ方は「野暮」そのものです。人気の「鰻の蒲焼き(アメリカ人が好きな甘いタレがたっぷり!)」が十個も盛り合わせてあるのを見ると、正直ゲンナリしてしまいます。

 アメリカで成功するファストフードの条件は、(1)手づかみで食べられる(2)腹一杯、手頃な値段で食べられる(3)時間がかからない(4)そこそこ美味しい。というところですが、「三郎」は「非常においしい」けど「時間がかかる」という点でファストフードになりません。店主は「二号店を出してくれ」というリクエストには頑として承知しないそうです。おそらくマネジメントとネタの仕入れに拡大の限界があるのでしょう。しかし「スシという食い物は旨い」という認識はアメリカ人に浸透していますから、そのうち「青い目のファストフード・スシ」が日本に逆上陸することがあるかもしれませんね。


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